ドラゴン桜2 でおなじみ三田紀房さん
LINENEWS朝日こども新聞での連載が書籍化。10/31に発売されました。
子供の教育では
昔から良しとされているもの
最新のもの
海外の考え方
など気になることがいっぱいですが
この本を読むことで
あらゆる局面において現代の最先端で活躍する
いろんな知識人の方々のエッセンスを一度にギュッと取り入れることができます。
これだけの知識人の考えが限られたページ数だからこそ、一番いいたいことに圧縮されているわけです。ある意味、いいとこどりした贅沢な本です。
国語 最相 葉月さん(ノンフィクションライター)
国語 坂本 聰 さん(考学舎代表)
数学 牛瀧 文宏さん(数学者)
数学 岩政 大樹さん(元サッカー日本代表、サッカー解説者)
社会 伊藤 賀一さん(プロ講師・社会科)
社会 宝槻 泰伸さん(探究学舎代表)
理科 村山 斉 さん(物理学者)
理科 福岡 伸一さん(生物学者)
英語 関 正生 さん(スタディサプリ・英語講師)
英語 高橋 一也さん(工学院大学附属中学校・高等学校 中学教頭)
HR 工藤 勇一さん(千代田区立麹町中学校校長)
自分の知らなかったことを知る
すでにやっているなら自信が深まる
違う切り口での発想を身につける
なのはもちろんなのですが
まったく異なるジャンルの方々が、言い回しこそ違えども
次の時代のありようとして指し示している方向がほぼ同じ
ということに着目してほしいです。
それでは、読む楽しみを奪わない程度に、本の登場順にしたがって感想を書きます。
国語 最相 葉月さん(ノンフィクションライター)
「文章を書くこととは、自分以外の第三者にあなたのいいたいことを伝えることです」(P26より)
この本に登場するすべての方に共通すると思うのが
「自分の『やりたい』を大切にする」ということ。
それが教科によってどう表現されるかですが、国語だと「伝える」「言葉で表現する」という形になるのですね。
実は、10年前に子供をどう育てるか考えていたとき
数冊、絶対音感に関する本を読んだのですが、この方の本も読んでいました!
まさかの再会。
ツイッターの固定ツイートに、子育て10年計画で娘が見つけたことのひとつに「絶対音感」が入っていますが、どうしようか悩んでいたときに、この本を読んで決めました。
ほかにも数冊、読みましたが、この本のリアルさが決めてです。
「そっかノンフィクションライターさんだったのか~。だからか~」と今さら納得。
ちなみに、絶対音感は、時期さえ間違えずに、毎日トレーニングしたら身につきます。
一音会でお世話になりました。
国語 坂本 聰 さん(考学舎代表)
「自分が何をわかり、理解できているのか。どこがわかっておらず、理解できていないのか。」(P36より)
自分がわかっている、理解できていると思うことも「言語化」できないと、本当にわかっているとはいえません。
「やりたい」が何となくあったとしても、どこかフワッとしていないか。
言語化できるほどに認識できているのか。
そのための基礎トレーニングに、お絵かきトレーニングはゲーム感覚でいいと思います。
ちなみに、国語が得意科目になる「お絵かき」トレーニングですが、昔、会社員時代に研修でやりました!
大人も子供も楽しいゲーム感覚でできます。これも、まさかの再会(笑)
紙とペンがあれば、どこでだってできる遊びなので、外出先の待ち時間で手持ちぶたさになったときとか活用できます。
「勉強」と思って専用の時間をとろうとすると、時間なんていくらあっても足りないし、到底つづけることなんてできないと思います。
普段の生活や遊びの中に、いかにとりこむかで、「おもしろいママ」として子供と笑いながら過ごすことができるかと。
マジシャンやお笑い芸人さんが、つねにネタを仕込むときの心境に似てる気がする(笑)
数学 牛瀧 文宏さん(数学者)
牛瀧 文宏先生の言葉がささる…
「これまでの積み上げがなかったり、あってもあやふやだったりすると、それぞれの段階でミスする確率が非常に高くなる」(P50より)
先日のツイートそのままな内容
成果を書いた方が信頼されるかと
結果だけを書いてますが
不安をかかえている人用に1年前をプチ暴露w幼稚園で勉強系をしてもらって
そこそこできたから調子にのって小学校で勉強関係は何もしないでいたら
小3の夏「算数がわからない…」「5×5=50」とか言い出して絶望w
— アヤコ@幼児教育 英語教育 よく遊び よく学ぶ (@momo_days) 2019年10月29日
成果を書いた方が信頼されるかと
結果だけを書いてますが
不安をかかえている人用に1年前をプチ暴露w
幼稚園で勉強系をしてもらって
そこそこできたから
調子にのって小学校で勉強関係は何もしないでいたら
小3の夏「算数がわからない…」「5×5=50」とか言い出して絶望w
算数こそ究極の積み上げ教科!!
そして、これって大人になって仕事でも同じことが言えると思います!
数学 岩政 大樹さん(元サッカー日本代表、サッカー解説者)
なぜ「算数」に、元プロサッカー選手の岩政大樹さんが?…という疑問も読み進めるうちに納得。
ゲームの組み立てに「なぜそうなったのか」をどんどん突き詰めて、現象に対処ではなく、原因に対応して現象化しないようにするのですね。
この考え方って、私もコーチングでクライアントさんに使っています。
現象化しないようにするには、かみ合っている要素の何を外したらいいのか、みたいな感じで。
「ものごとの成り立ちや本質を見極め、課題に対する解決策を見いだしていくには、順序立てられ、よく整理された思考の型が必要で、それが論理的思考なのです。」(P84より)
数学的思考は、生き残るために必須。
ただの計算などではなくて、本質を見極めて、謎解きするような感じなのだと思います。
プロで活躍した方の思考法を垣間見たい方にぜひ!
社会 伊藤 賀一さん(プロ講師・社会科)
「起こった出来事を解釈し、判断力や思考力を駆使してその理由や流れをつかむのが、本来の勉強のねらい」(P95より)
また、点、線、面でたとえば理解の仕方についての記述もありました。
長いので、ちょっと要約したのが以下の感じです。
——–
ものごとを「点」で理解し、ある程度たまったら、因果関係を見据えてお互いをつなぎ「線」にする。
さらには、横の広がりをつくり「面」にしていく。
そうやって「なぜ」「どのように」を考えることで理解を深めていく。
——–
要素に分解して理解し、全体像に組み立てながら理解していくことは、受験勉強だけでなく、人間関係や仕事においても大いに使う能力だと思いました。
社会がつまらなかったのは
登場人物が多くて
ひたすら苦痛な暗記で
行動の理由が分からなかったから
物語としての全体像の理解で論理的思考も深まると思います。
社会 宝槻 泰伸さん(探究学舎代表)
「子供たちに『驚きと感動の種をまく』というのが私たちのコンセプト」(P111より)
「わかりやすい例でいえば、さかなクンのように生きられる人を生み出すことです。」(P111より)
点数のための勉強でなくて
驚きと感動から夢中になれたらそれが本当の勉強
「大人ができるのは、きっかけづくり」
たしかに。
好きで夢中になって本気になって取り組んでいる人に
イヤイヤ義務感でやってる人間が
途中までいい線いったとしても、最後に勝てるわけない(笑)
それと大事なのは、「子供が夢中になることを」ではなくて
子供が「早く大人になりたいっ!」って入ってくるほどに
大人が夢中になって何かやること♪
ちなみに、現時点ではうちの子は
「大人っていいなー」と「子供っていいでしょー」を半々くらいで言ってきます(笑)
理科 村山 斉 さん(物理学者)
「『なんで?』を掘り進めて考えることこそ、本当の勉強ですよ」(P132より)
「答えのないものに挑む体験」
理科の話ですがビジネスにも生き方にも通じますよね
子供の「なぜ」にも向き合いたい
心に余裕がないと対応できないけど(笑)
理科 福岡 伸一さん(生物学者)
この方、いい意味でヤバイ!
「理系」「文系」の誤解がとけました!
進路で悩む方は必読のページです。
ここを読まずして「理系or文系」で悩むと判断をまちがえてしまうかも!?
「科学史として学ぶ」
これに、なるほどと思わされました。
結果が出ている現在だけで理解しようとするから、表面上だけの暗記で終わってしまうけれど
「なぜ、今このようになっているのか」を理解することで見えてくるもの、新しく発想できることがあります。
そして…
どこかで見たことある方だな~と思ったら
フェルメールのリクリエイト展で登場していました!
理科からフェルメールの絵画にどうつながったかはネタバレになるので、ぜひ本をご覧ください。
リクリエイトとは、本物を忠実に再現したものですが、「にせもの?」とあなどることなかれ!
当時の色彩を再現した状態になっているので、「え?この絵は、こんなに鮮やかだったの!?」と驚きがあったり、リクリエイトだからこそ「触る」ことができたりします。
全国を移動しながら随時イベントをしているようなので、ぜひ「リクリエイト」で検索して、お近くのイベントで体験してみてください♪
ツイッターの方では、思わずフェルメールのリクリエイト展のリンクを紹介してしまったけれど、本当はこんな立派な書籍を出されています。
目次だけでもぜひご覧ください。
誰もが一度は疑問に思ったことについて書かれています。
英語 関 正生 さん(スタディサプリ・英語講師)
「受験において早期英語教育は必須じゃない」というのに納得
幼児期の英語教育と受験は別物です。
どちらも大切だと思います。
詳細を書くとかなり長くなるので(笑)別の記事にします。
英語 高橋 一也さん(工学院大学附属中学校・高等学校 中学教頭)
グローバルティーチャー賞(教育界のノーベル賞)
のトップ10に選出ってすごい
英語を学ぶのでなく英語で学ぶ
「答えが決まっていない問いを探求する力」
本当そう思います。
英語を身につけるのが目的ではなくて、その先にあるものを得るのに、現代においては英語が最適だから学びたいわけです。
私は輸入物販の仕事をしていますが、中国・ドイツ・イギリス・ポーランド・アメリカなど、必ずしも英語が母国語でない方もいます。
でも、基本的に英語でのやりとりです。
第二言語として英語を身につけている人口を考えたら、ほぼ世界を網羅できる言語なのではないでしょうか?
だからこそ、英語育児に力を入れています。
現場からは以上です(笑)
HR 工藤 勇一さん(千代田区立麹町中学校校長)
HR 工藤勇一さん
千代田区立麹町中学校校長
カンブリア宮殿にも登場
「目的と手段をはきちがえないこと」
目的が明確だから、古い因習のおかしさに気づけるわけです。
昔からあるものって、合理的に見つめなおさないと「そういうもの」として溶け込んでしまっていて、おかしさに気づけないときもあります。
これって誰もがすぐに落ちる落とし穴。気をつけねば。
もちろん、時代を越えていけるだけの本質にのっとったものは、受け継いで積み重ねていくのも大切。
『親が知っておきたい学びの本質の教科書 教科別編』で短期に情報収集
先生方がおっしゃっていることで共通すると思うのは
自分のやりたいを正しく理解し表現すること
相手や自分以外の世界のことを理解すること
自分のやりたいを極めること
不安なときほど、過去のやり方にしがみついてしまいがちですし、それはそれで否定しません。
不安からではなくて、いいものだからこを受け継がれてきたものは残すべきです。
ただ、本質を押さえつつ、新しい発想も一定の割合で取り入れ、実践してきた人が、未来のポジションを手に入れてきたと思いませんか?
まずは情報収集。
そして、行動。
それから、取捨選択。
気になったものはネットでさらに検索。
そして、行動。
これをくり返す。
娘が生まれたときは、今ほど幼児教育の情報が出ていなかったですが、それでもこのやり方でコツコツ情報を集め実践してきました。
余談ですが、親が本を読んでいる(フリだけでもする)と、子供が本を読むようになります(笑)
そんな下心からでもいいです。知識の幅が広がるだけで選択肢が変わります。
ちなみに、この本は、時々、ドラゴン桜2のマンガの一部が入っているのも読みやすかったですね。まずはご一読を。